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武豊「コントレイルは乗りやすいディープインパクトというイメージです」“歩く競馬四季報”が語る血統の面白さ
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byAsami Enomoto
posted2021/04/11 06:00
「血統を見ることが昔から好きだった」と語る武豊がその魅力を語った
お父さんと似てきたって、言われるでしょう?
血統の話は奥が深いが、だからと言ってすぐに馬券的中に結びつくかどうかはわからない。たとえば、道悪巧者をどう推測するのかを聞いてみると、「走り方なのか、気性なのか、そこはボクも未だにわからないところです。トップスピードを競い合うレースが苦手な馬たちは、湿って時計のかかる馬場ほどチャンスが増えるというのはたしかにありますが、ディープの仔だから道悪が下手ということはない。実感としては、そのときにデキが良かった馬が、厳しいコンディションも克服する感じかな?」と武の言葉はあくまでも実践的だ。我々は競馬をより興味深く楽しむための教養として、血統を学ぶのがよさそうだ。
お父さんと似てきたって、言われるでしょう? と聞くと、まさにお父さんと同じように目尻を下げ、うれしそうに話し始めた。
「最近になって、そう言われることが多くなってきましたね。でも、ボクから見て思うのは、弟(武幸四郎)が調教師になって、ドンドン親父に似てきたってことです。少し前の京都競馬場の地下道でのこと。アイツの馬に乗るために待っていたんですが、逆光の中で馬の横を歩いてくるシルエットを見て、そっくりやなーって。親父ちゃうか? みたいな(笑)。片手に丸めたレーシングプログラムを持って、片手はポケット。人としゃべりながらでも、知り合いを見つけると手を上げる仕草とか、ホンマ一緒やなあって。これこそが血統ですね」
武豊Yutaka Take
1969年3月15日、京都府生まれ。「名人」と呼ばれた故・武邦彦の三男。'87年騎手デビュー。JRAリーディング18回、歴代最多勝、34年連続重賞勝利など、数多の記録を持つ。中央GI通算77勝。JRA通算4214勝(10月2日現在)。170cm。