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「瀬戸大也に五輪に出る資格はない」は的外れ…スポンサーを失った“競泳エース”の今後とは?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2020/10/07 17:00
19年の世界選手権で2個の金メダルと1個の銀メダルを獲得した瀬戸大也
瀬戸の実績を見ればわかる
昨年の世界選手権の活躍をあらためて思い出す。その根底には2016年のリオデジャネイロ五輪の400m個人メドレーで銅メダルを手にしたものの、世界一になれなかったという思いがある。悔しさをバネに競技に取り組んできた成果を象徴するのが、昨年の世界選手権であった。
さらに遡れば、2012年のロンドン五輪代表を逃したあと武者修行のように数多くのレースに出場し、強化に励んでいた。
競泳の練習は、派手さとは無縁だ。プールでの日々も、第三者の目には単調で地味なものに映るだろう。そうした日々を長期間真剣に過ごすには、強い目的意識と精神が必要になる。瀬戸の数々の実績の裏側にも、そうした日々を過ごしてきた時間と姿勢がある。
瀬戸本人に意思ある限り、競技人生はまだ続いていく。
起こしたことは変えられないが、これから先のことは変えることができる。
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