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最強アーモンドアイに勝ったあの牝馬が主役? GI開幕の歴史的レースで「牝馬の時代」の幕開けか

posted2020/10/03 17:00

 
最強アーモンドアイに勝ったあの牝馬が主役? GI開幕の歴史的レースで「牝馬の時代」の幕開けか<Number Web> photograph by Kyodo News

春の安田記念で最強牝馬アーモンドアイを退けたグランアレグリア

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、JRAでは2月29日から7カ月以上にわたって無観客競馬をつづけてきた。それが来週末、10月10日から、条件付きではあるが解除されることになった。

 ということは、今後また感染状況が悪化さえしなければ、今週末のスプリンターズステークス(10月4日、中山芝1200m、3歳以上GI)が「最後の無観客GI」になるわけだ。

アーモンドアイを退けたあの牝馬

 その意味で競馬史に残る一戦で、主役となるのは春の安田記念で最強牝馬アーモンドアイを退け、GI2勝目をマークしたグランアレグリア(牝4歳、父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)だろう。

 2歳だった一昨年は、牡馬相手の朝日杯フューチュリティステークスで1番人気に支持されるも、3着。そこからのぶっつけ本番となった昨年の桜花賞を勝ってGI初制覇を遂げ、NHKマイルカップでは5着(4位入線)に敗れるも、12月の阪神カップでは、古馬勢を5馬身切って捨てる圧勝劇を披露。JRA賞最優秀3歳牝馬に選出された。

 もともと、スピードがありすぎて、マイル戦だとコントロールし切れないところがあった。やはり、と言うべきか、芝1400mの阪神カップで、距離が短くなると破壊力がさらに増すことを証明する。そして、今年3月の高松宮記念では、後方から猛然と追い込みタイム差なしの2着。先行馬に有利な流れのなかでも力を発揮し、スプリンターとしてトップクラスの走りを見せつけた。

 本質的にはスプリンターだと思われていただけに、前走の安田記念でアーモンドアイを負かす強さを見せたことは驚きだったが、それだけ充実期にあるのだろう。大事に使われているので、まだキャリアは8戦。中山コースは初めてになるが、前走時で492kgと、牝馬にしては馬格もパワーもあるので、急坂も難なくこなしそうだ。

【次ページ】 ノーザンファームがスプリントにも力を入れたら…

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