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最強アーモンドアイに勝ったあの牝馬が主役? GI開幕の歴史的レースで「牝馬の時代」の幕開けか 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2020/10/03 17:00

最強アーモンドアイに勝ったあの牝馬が主役? GI開幕の歴史的レースで「牝馬の時代」の幕開けか<Number Web> photograph by Kyodo News

春の安田記念で最強牝馬アーモンドアイを退けたグランアレグリア

ノーザンファームがスプリントにも力を入れたら…

 もしこの馬が勝てば、ノーザンファームの生産馬がJRAのスプリントGIを制するのは、2008年のスリープレスナイト以来12年ぶりとなる。

 近年、ノーザンファームはリーディングブリーダー部門を2位にダブルスコア以上の差をつけて独走している。GIの掲示板に載る馬のほとんどがノーザンファームの生産馬というシーンも珍しくないのだが、スプリント戦やダート戦ではその傾向はぐっと弱まる。それは、基本的にノーザンファームの馬づくりが、芝2400mの日本ダービーを最大のターゲットに据えているからだ。

 であるから、スプリント路線とダート路線は「空白区」のようになっているのだが、逆に言うと、ノーザンファームがそこにも力を入れてくるようになるとどうなるのか。想像するのも怖いくらいだ。

グランアレグリアの相手候補

 グランアレグリアの相手候補の筆頭は、高松宮記念を制した外国産馬モズスーパーフレア(牝5歳、父スパイツタウン、栗東・音無秀孝厩舎)か。昨年のスプリンターズステークスでは半馬身差の2着に惜敗したが、今年の高松宮記念を降着による繰り上がりという幸運も味方につけて優勝。とにかくスピードの絶対値が高い。逃げ馬にとっては絶好と言える2番枠を引いた。今回もおそらく逃げて、ゴール間際まで先頭を譲らないだろう。

 ダイアトニック(牡5歳、父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎)とダノンスマッシュ(牡5歳、父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎)の「短距離王国」安田勢にもチャンスがある。どちらが勝っても、史上初の父仔制覇となる。

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