フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
『愛の不時着』で伸びやかに 本郷理華ら“お姉さん”世代が見せたスケート人生をかけた演技
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byManabu Takahashi
posted2020/10/02 11:02
フリーでは前半最後の3回転サルコウで1/4回転不足が付いた以外はノーミスの演技を見せた本郷
ショートはドラマ『愛の不時着』の挿入歌
5月から氷上練習を始めると、何度も連続してプログラムをかけ「体力をつけるために滑り切る練習をしました」。
そして迎えた中部選手権。ショート、フリーがある公式戦は2018年の全日本選手権が最後で、演技会としても1年5カ月ぶりとなる公の場だった。
ショートは、ドラマ『愛の不時着』の挿入歌。母の本郷裕子が振り付けたプログラムで、ゆったりとした美しい調べに乗り、長い手足を活かした伸びやかな演技を見せた。3回転ジャンプはトウループとサルコウのみで難度を落としつつも、スピード感のある滑りで、3位となる。
「コロナの自粛期間中に見たドラマにハマってしまい、残り少ない競技生活なので使いたい曲を使おうということにしました」
全身黒のボディスーツに身を包んで登場
フリーは、本郷のクールさが溢れるプログラムだった。シェイリーン・ボーン振付による映画『Ghost in the Shell/攻殻機動隊』のナンバーで、全身黒のボディスーツに身を包んで登場。冒頭では高さのある3回転フリップもおり、ジャンプ力も取り戻していることをアピールした。
「去年作っていただいたプログラムで1年あいてしまったのですが、自分の納得のいく練習を積んだ上でやりたかったプログラムです。一歩ずつですが、自分がやりたいスケートを表現できて来ているので頑張りたいです」
得点はフリーが1位で、総合2位に。
「結果にはびっくりしています。まだまだ現役ピーク時の60%くらいです。今季の目標は『前に進む』です。全日本に出場したいという気持ちで復帰したので、それが一番大きな目標です」
笑顔の本郷を、関係者や保護者らが温かい拍手で包んだ。