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内藤哲也、3冠へG1クライマックス開幕2連勝 棚橋に「背中が遠い」と言わせた男の夢
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/09/26 11:30
G1クライマックス開幕2連勝で勢いに乗る内藤哲也。「3冠」を狙い走り続ける
内藤は「焦っていた」のかもしれない
内藤は王者らしく話したが、試合は棚橋が勝ってもおかしくないものだった。内心、内藤は「焦んなよ」と思いながら「焦っていた」のかもしれない。それくらい棚橋は若さを取り戻したようによく動けて、何度も逆転する姿を見せた。ファンはそんな棚橋に感情移入して拍手を送っていた。
「でも、オレにとってはリーグ戦9試合の内の1つ。いやちょっと待てよ、優勝決定戦も含めて10試合の中の1つに過ぎないよ。それでも彼を支持するお客様がたくさんいらっしゃることに関しては、素晴らしいと思うよ。棚橋が今まで築き上げてきたものでしょう。素晴らしいと思う。まあ、今日の負けにガッカリせずに、またオレを焦らせる存在になってくれよ」(内藤)
ザック・セイバーJr.の実力は間違いない
9月24日の札幌でのザック・セイバーJr.との試合も28分を超えた。棚橋戦同様、30分の時間切れもあるかな、と思わせるものだった。
内藤はザックに苦手意識を持っていた。
「このBブロック、名前を見たときにね、やっぱりザック・セイバーJr.っていう名前がさ、一番最初に、いや、一番は言いすぎかな、かなり早い段階で目についてしまったよ。それぐらいやっぱり、オレにとってすごくやりづらい相手なんでね。彼の実力は間違いないし、それを知っている。そしてやりづらさもある。リーグ戦の1つのヤマ場かなと思っていたけどさ、こうしてクリアできて、まあ終わってみれば、順当な勝利ですか。ザック・セイバーJr.強かったよ。なんか、身長は高いけどさ、彼は体重があまりないわけでね。重さだけがすべてじゃないっていうのは、改めて感じさせられたし、それを証明しているザック・セイバーJr.っていう選手、なんか悔しい」