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世界1位を経験してもピリピリ感ゼロでゆるキャラみたい バドミントン山口茜の真骨頂とは?
posted2020/09/28 18:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Itaru Chiba
3月中旬の全英オープン出場後、新型コロナウイルスの影響でワールドツアーなど国際大会が相次いで延期、中止となっていたが、9月上旬、味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿が行われ、約5カ月半ぶりにバドミントン日本代表の活動がスタートした。
「久しぶりに集合して、トップの選手ばかりのなかで質やレベルの高い練習ができて、うれしい気持ちとこれから合宿からスタートして、大会なども再開されていくのかなと思うと、身が引き締まる思いです」
バドミントン女子シングルス世界ランキング3位の山口茜は久しぶりの日本代表合宿に充実の表情を見せていた。
例年であれば、ワールドツアー真っ只中の時期。とくに東京オリンピック開催予定だった今年は、例年以上に多忙を極めているはずだった。
トリッキーなプレー、存在感は“ゆるキャラ”
2013年に史上最年少の15歳で日本代表に選ばれ、2016年のリオ五輪に出場してベスト8入りした山口は、2018年にバドミントン女子シングルスで日本人女子初となる世界ランキング1位を達成。3つ年上の奥原希望とともに日本の女子シングルスをけん引し、世界トップランカーとして最前線で戦ってきた。
その魅力はやはり何といってもプレースタイルにある。
156cmと小柄だが、多彩なショットと軽快なフットワークで相手の裏をかいたかと思えば、力強いジャンピングスマッシュを決めるが、その驚異的な跳躍力やバネ、トリッキーなプレーに多くのファンが魅了されてきた。世界トップランカーだが、変に張りつめたようなピリピリ感は皆無で、まるでゆるキャラのようにチームメイトや多くの人から愛される存在になっている。