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女子バスケWリーグ開幕! 3人制代表活動で進化した、三好南穂の「ディープスリー」を見よ 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2020/09/19 11:30

女子バスケWリーグ開幕! 3人制代表活動で進化した、三好南穂の「ディープスリー」を見よ<Number Web> photograph by Getty Images

11月には3人制女子の日本代表合宿が行われる。東京五輪出場をかけた最終予選は、来年5月26日からオーストリアで開催予定だ

3人制に力を注ごうと思った理由

 三好はWリーグ開幕会見で、3人制でのプレーがもたらす好影響を踏まえて、個人としての抱負をこのように語った。

「5人制も3人制も互いに通じるところがある。私が見てほしいのは3Pシュートラインのさらに後ろから打つディープスリー。ボールが重い3人制でやってきて、今までよりさらに遠くから打てるようになってきたので、そこを頑張りたいと思っています」

 3人制については、実は若いころから世界大会を経験している。桜花学園3年生だった11年9月には、イタリアで行われた第1回3x3世界ユース選手権に長岡萌映子や宮澤夕貴らとともに出場。同じ大会の男子日本代表には渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)がいた。当時から適性を見出されていた証拠だ。

 Wリーグに入ってからは5人制に集中してきたが、リオ五輪の後に意識が変わった。

「リオ五輪には(代表メンバー12人中)12人目の選手として行ったと思っています。リオ五輪で試合に出てシュートを決められたのは自信になったのですが、やはり、次の五輪では主力として戦いたい。3人制に力を注ごうと思ったのは、それが理由です」

 五輪への並々ならぬ情熱もある。今年1月には、「五輪は選手である以上、みんなが目指すところ。そこに出たいですし、今回は東京での開催という特別な大会なので、メンバーに入りたいという気持ちはすごく強い」と言葉に力を込めていた。

3人制では性格を存分に発揮できる

 3人制については、性格面での適性もあると感じていた。3x3の試合は10分間のスコアか21点先取するかというルール。ボールを持ってからのショットクロックは5人制の半分の12秒しかない。そこで生かされたのが、三好が元来持っている、積極的なシュート姿勢だ。

「ガードのポジションにはアシストが上手い選手が多いのですが、私の場合、どんどん点数を取りにいくタイプ。3人制ではこの性格を存分に発揮できます」と笑顔で語る。

 意外なことに、三好が3Pシュートに目覚めたのは桜花学園に入ってからだったという。身長は167センチ。中学生年代でもさほど大きいわけではなかったが、中学まではセンターをやっていた。そのため、3ポイントラインからのシュートはほぼ打ったことがなかったそうだ。高校入学後も1年間は膝の前十字靭帯を負傷したため、実質的に3Pに取り組んだのは高校2年から。そこで楽しさに気づいていったという。

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