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「自分ももう27歳なので…」千葉ジェッツ富樫勇樹が明かすキャプテンを引き受けた理由
posted2020/09/26 11:50
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
B.LEAGUE
名古屋から新幹線に乗り、スポーツの一大イベントに胸を躍らせて、新横浜駅で降りる。
富樫勇樹はそんなプランを描いていた。
といっても、これは新横浜駅が最寄りの横浜アリーナで(2シーズン目以降は)「ファイナル」が行なわれてきたBリーグの話ではない。
昨年の10月13日、日曜日。19時45分から横浜国際競技場で予定されていたラグビーW杯プールA最終戦、日本とスコットランドの試合の話だ。
富樫が所属する千葉ジェッツは、愛知県に本拠地を置くシーホース三河と10月12日と13日に連戦の予定だった。13日の試合を終えて千葉へ帰る道中、新幹線の停まる新横浜駅から徒歩圏内のスタジアムで行なわれる試合を見るというスケジュール。偶然によるものとはいえ、完璧なものに思えた。
「あんな歴史的な試合を……」
しかし、台風19号の接近にともない、ジェッツの試合は12日と13日から、13日と14日の開催へと変更になってしまった。13日の夜は翌日の試合のための大切な準備の時間になる。
結果的には、日本が史上初めて予選プールを突破し、準々決勝へ進出することになる試合のプラチナチケットにかけていた手を離すことになった。
「チケットは友達にゆずることになりました。あんな歴史的な試合を……」
自分たちの試合では無事に2連勝を飾れたことだけが救いだった。
「世界陸上や世界水泳もそうだし、世界柔道も……。Jリーグはあまり見ないけど、サッカーのW杯は絶対に見ます。それが関東で行なわれたり、自分のスケジュール的に行けそうな試合があれば、チケットをとろうと結構、全力をつくしますね」
井上尚弥と松島幸太朗を招待
富樫は、無類のスポーツ好きだ。
昨年は井上尚弥の戦いぶりを見るためにボクシングの試合を初めて生観戦した。