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創業360年超「鍵屋」15代目は、花火と柔道のコロナ禍逆境にめげていない
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byRodrigo Reyes Marin/AFLO
posted2020/09/22 17:00
例年行われている江戸川区花火大会は「宗家花火鍵屋」が担当している(写真は2014年のもの)
老舗企業の根性を見た気がする
スペイン語でいう「ケセラセラ(なるようになれ)」ではないが、いつか平穏が戻って普通に花火が打ち上げられる日がきっと来るはず。それを歴史の中で「鍵屋」は知っているのだ。
もちろん楽観しているわけではない。でも泰然自若と構えなきゃいけないよね――。それとともに「花火と並行して整骨院や柔道道場も開いているわけですからね(笑)」と江戸っ子らしい切り返しも忘れない姿勢には、まさに老舗企業の根性を見た気がした。
ちなみに安喜子さんらは来年以降の(開かれると願いたい)花火大会の準備とともに、柔道でも徐々に動き出している。取材日にあった練習から「富道館柔道天野道場」では寝技の練習が解禁されていた。
事実を受け止めたうえで、乗り越えていく。江戸時代からの伝統ある「宗家花火鍵屋」の立ち振る舞いは、普通に楽しめる日常、そして夏が来ると信じることの大事さを教えてくれる。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。