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ダルビッシュにも力をもらった! 復調のレッズ秋山翔吾「何センチかが大きな変化に」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byAFLO
posted2020/09/18 07:00
一番の打順に復帰した9月11日、4試合連続となるヒットを放ち、3打数1安打1四球の活躍を見せた
ダルビッシュのコメントに力づけられた
「比較するとすごく小さな変化かもしれないですけど、僕にとってはその何センチかが大きな変化だったりするところもあります」
1番から下位打線へ配置転換された直後の8月29日。カブスのダルビッシュ有と、メジャーで初めて対戦し、2打数1安打、打撃妨害1。試合後、ダルビッシュが残した「今の数字の打者では絶対にない選手だと思いました」とのコメントにも力づけられた。
9月に入ると、ジリジリと数字を上げ始めた。2ストライクに追い込まれても、ファウルで粘って四球を選び、チャンスメークに徹した。相手バッテリーが粘り負けし、少しでも甘く入れば、左方向への安打が増加した。
となると、他球団は簡単にシフトを敷けなくなる好循環につながり、同8日からは2日連続マルチ安打を含む4試合連続安打。その間、11日には、西武時代から座り慣れたリードオフマンの座に復帰した。
劇的な上昇でチームからの信頼感を勝ち取った
積み重ねてきた修正は、数字にも顕著に表れ始めた。
8月終了時は、打率1割9分6厘。出塁率2割8分2厘。
ところが、9月は15日までの13試合で打率3割3分3厘、出塁率4割9厘。
依然としてスモールサンプルとはいえ、劇的な上昇で完全にチームからの信頼感を勝ち取った。
デイビッド・ベル監督は言う。
「慣れてきたし、落ち着いてきた。内容のある打席が増え、ボールが良く見極められるようになり、出塁も増えた。この状態を続けてほしいね」
2月の春季キャンプイン当時から、周囲の楽観的な意見をよそに、秋山は常に「レギュラーが確約されているわけではない。つかみに行くもの」と、危機感を忘れたことはなかった。