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フロンターレ、謎イベント再び ふろん太が南極・昭和基地に乗り込んだ「難局物語2020」って?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNational Institute of Polar Research&Kawasaki Frontale
posted2020/09/11 11:30
南極から始球式に臨む予定のふろん太
みんなで乗り越えていくというメッセージをこめて
――8年前は難敵に打ち勝つべく「難局」として、今回はコロナ禍を乗り越えようという意味合いにしています。
「昨年からの企画なのでコロナ禍は後からきたものですけど、やはりみんなで乗り越えていきたいというメッセージをこめて敢えてこのネーミングのままにしました。経済状況の悪化で地域やスポンサーの力に少しでもなりたいとの思いから4月にオンラインで物産展を開いた際も『この難局を乗り越えよう』と題して発信しました」
――「難局」というフレーズを戦略的に使用しているわけですね。
「あくまでクラブとしてみんなでコロナ禍を乗り越えましょうという姿勢を示していくうえで。『難局物語2020』は南極を体験してもらいつつ、コロナ禍に打ち勝ちましょうと呼び掛けていくイベントでもあると思っています」
「ブリザードはご勘弁をと願っております(笑)」
――始球式をライブでやるとなると、昭和基地の時差は……。
「日本からマイナス6時間になるので、18時半キックオフとなるとちょうどお昼ごろになりますよね。天候が良ければふろん太に昭和基地の外に出てもらいたいなって思います。やっぱり外じゃないと『ザ・南極』の絵にならないので、ブリザードはご勘弁をと願っております(笑)」
――ただ、いつも1つの企画に対して盛りだくさんにするのがフロンターレ流だとは思います。しかし今回は始球式とスタジアム横の「フロンパーク」やスタジアムで南極に絡んだグルメを提供するくらい。規模を縮小せざるを得なかった、と。
「いろいろとやりたいことはありました。南極をテーマにするので雪を降らせてみようかという案もありましたが、Jリーグの新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインに沿うとミストの使用はNGなので断念しました。
クラブのマスコットの活動も制限がありますし、南極に絡めたゲストを呼んで選手入場のアナウンスをしてもらおうと思っても(当該チームから発症者が出た場合に)中止になるリスクも考えておかなければなりません。そうなるとどうしても最低限に抑えた内容になってしまいます」