酒の肴に野球の記録BACK NUMBER

打率4割なるか、吉田正尚の“迷いのなさ”。週刊セパ好成績&珍記録まとめ。 

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

PROFILE

photograph byKyodo Kews

posted2020/09/07 18:15

打率4割なるか、吉田正尚の“迷いのなさ”。週刊セパ好成績&珍記録まとめ。<Number Web> photograph by Kyodo Kews

ここ最近“打てばヒット”状態のオリックス吉田正尚。夢の4割打者誕生なるか。

打率以外にも実は凄い成績って?

 筆者はシーズン前に、今季の打率4割の可能性に言及した。この時に吉田正尚も候補に挙げたが、9月6日時点で通算打率は.379まで上がってきた。

 打率4割挑戦でよくあるのは、開幕直後から好調で4割をキープし、シーズン中盤になって失速するパターンだ。守りに入ってじりじりと打率を下げていくのだが、吉田正尚はシーズン半ばを過ぎて加速している。4割を守るのではなく、追いかけている。こちらの方が可能性が高くなる気もする。

 今季の試合数は例年より約2割少ない120試合。規定打席も372打席と少ない。可能性は大いにあるのではないか。

 ちなみに、吉田がすごいのは打率だけではない。

 291打席に立ってわずか16三振と、規定打席以上では断トツの最少である。あれほどのフルスイングをしながら、めったに三振しないのだ。そして四球はリーグ5位の46。三振より四球が3倍近くも多く、そのうち敬遠は11。これもリーグ最多である。

 ホームランバッターではないが、確実に安打を打つ吉田は、リーグの投手から一番恐れられているのだ。

 中嶋聡監督代行になってから、オリックス・バファローズはチームの雰囲気が少し明るくなったような気がする。すでに“独自の戦い”になってしまっているが、「秋の吉田正尚」から目が離せない。

ロッテと西武は接戦を制して勝ち越し。

<9月1日から6日までの1週間の成績>

【パ・リーグ】
○チーム成績
1ロッテ6試合4勝2敗0分 率.667
打率.244 防率4.17
1西武6試合4勝2敗0分 率.667
打率.241 防率3.63
3楽天6試合3勝3敗0分 率.500
打率.213 防率5.37
3日本ハム6試合3勝3敗0分 率.500
打率.294 防率3.00
5オリックス6試合2勝3敗1分 率.400
打率.246 防率3.74
6ソフトバンク6試合1勝4敗1分 率.200
打率.206 防率3.33

 ロッテと西武は接戦をものにして4勝2敗の好成績をあげている。

 前週6戦全勝だったソフトバンクだが、最下位オリックスに連勝を阻止されてから失速。主軸の柳田悠岐はロッテ戦でこそ2試合連続マルチ安打をした、打線が湿ってしまった。それとは対照的に日本ハムは打線が好調をキープしている。

【次ページ】 日本ハム近藤も素晴らしい成績。

BACK 1 2 3 4 5 NEXT
吉田正尚
オリックス・バファローズ
近藤健介
ネフタリ・ソト
岡本和真

プロ野球の前後の記事

ページトップ