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西岡良仁、マリーと4時間39分の大激戦。本人が冷徹に振り返る敗因を財産に。 

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秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byGetty Images

posted2020/09/03 17:00

西岡良仁、マリーと4時間39分の大激戦。本人が冷徹に振り返る敗因を財産に。<Number Web> photograph by Getty Images

2セット連続で奪い、かつてのBIG4であるマリー戦勝利にあと一歩まで迫った西岡良仁。この結果で満足するような男ではない。

マリーの呆れた表情が物語る激戦。

 本人の反省の弁から敗因を探ってみたが、客観的にはマリーの気迫と修正力が勝敗を分けた最大の要因だろう。

「最初の2セットは完全にバランスを間違えていた。自分から何もできず、彼にポイントを独占されてしまった。そのうち、積極的に行きすぎてミスが増えてしまった。最後にようやく、自分がやらなくてはならないことのバランスがとれてきた。ショットの当たりもよくなり、いいタイミングで前に入ることもできた。最高のプレーはできなかったが、乗り切ることができたのだから、この勝利は特別だ」

 マリーは試合後、全てを出し尽くしたというような姿でベンチに腰を下ろした。呆けたような表情がすべてを物語っていた。

 西岡は金星こそ逃したが、試合勘はすぐに戻るだろう。男子ツアーきっての試合巧者と5セットを戦ったことで経験値は大きく積み上げられたに違いない。BIG4の一角と互角に戦った4時間39分は必ず彼の財産となる。

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