「ずっと現役です、野球に対しては」

　彼を取材して、間もなく20年になる。川崎は野球という世界の中で、地図を持たない冒険を続けてきた。その冒険はまだ終わることがないばかりか、いまだに地図を持つことなく、道なき道を進んでいる。

「答えってないんですよ。答えを決めることほど、つまらないことはない。野球から引退するという概念もないですね。ずっと現役です、野球に対しては。でも、野球をやっている子たち、これからやろうとする子たちのために、素晴らしい環境作りをしたい。だからBCリーグに行って、野球をやりたくなる環境を整えてあげたい。

　日本プロ野球を見て、メジャーリーグもマイナーリーグも台湾プロ野球も見てきた。そんな僕の使命が一つあるとしたら野球選手が野球をしたくなる環境作り。その為にもいろんな環境を経験したい。だから走って、走って、脚力を鍛え続けますよ」

　来年には40歳を迎え、大ベテランの域に入る川崎。BCリーグ栃木では「スプリンター・ムネリン」を、ぜひとも皆さんに見てもらいたい。