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渡邊雄太の成長と見習うべき選手。
来季契約の行方、コーチ陣の評価は?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byJoe Murphy/NBAE via Getty Image
posted2020/08/26 18:00
NBA2年目を終えた渡邊。ともにグリズリーズでプレーする21歳のモラントのような派手さはないが、自分の進むべき道をしっかりと見極めている。
コーチの言葉に感謝する渡邊。
渡邊のグリズリーズとの契約期間は、今季までの2シーズン。10月にNBAファイナルが終わるとフリーエージェントになる。
シーズンが終了する少し前、再開シーズンが行われたオーランドで、チームの首脳陣やヘッドコーチのタイラー・ジェンキンズとシーズン総括の面談があった。来季の契約については何の確約もないが、それでも、フロントやコーチから評価されていることは感じられたという。
「当然、あの場面で『お前は全然使えない』みたいなことはGMもコーチも、さすがに言ってこないと思うんで」と、手放しで喜びはしなかったが、評価の言葉には感謝した。
「僕の成長度合いだったり、コート内外でプロフェッショナルな部分っていうのを本当に評価してくれているんだなっていうのは感じた。コーチも『もっと試合に出してあげたかったと思っているし、自分自身も出たかったと思っているんじゃないか』って言ってくれました」
気になる来季の契約動向。
グリズリーズとしても、もし渡邊と契約を延長する可能性がまったくないのなら、帯同人数が限られたなかで出場の可能性が低い2ウェイ契約の渡邊を“バブル”(再開シーズンを行った隔離地域)に連れていくことはしなかっただろう。実際、グリズリーズではないが、2ウェイ契約の選手を同行させず、その分、スタッフを連れていくことを選んだチームもいくつかあったのだ。
もしグリズリーズと契約延長することになったら、NBAの規則もあり、今度は2ウェイ契約ではなく本契約となる。あるいは、ほかのチームから契約オファーが来る可能性もある。実際、他のチームのフロントで働く人物から、渡邊を評価するコメントを聞いたこともある。
どういう形になるにしても、このオフは、渡邊にとっての大きな岐路となる。そして、今シーズン、苦しみながらも得た経験と手ごたえが、次のステージに進むための踏み台となるはずだ。