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渡邊雄太の成長と見習うべき選手。
来季契約の行方、コーチ陣の評価は?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byJoe Murphy/NBAE via Getty Image
posted2020/08/26 18:00
NBA2年目を終えた渡邊。ともにグリズリーズでプレーする21歳のモラントのような派手さはないが、自分の進むべき道をしっかりと見極めている。
苦しい時間の支えになったもの。
出番がないまま試合が終わり、悔しい思いをしたときに、日本にいる両親や親友に連絡し、思わず愚痴をこぼしたこともあったという。親身になって話を聞き、応援してくれる人がいたことで、シーズンを通して頑張ることもできた。
「自分はあまり弱音とかは吐いたりしないんですけれど、今シーズンは辛抱しなきゃいけない時間が多かった分、いつも以上に少しネガティブになっていた時期もあったんじゃないかなと思う。そうやって、身近にいつも自分の話を真剣に聞いてくれる存在がいたっていうこと自体が自分の支えになりました」と渡邊は明かす。
「(そのおかげで)一切ぶれることなく、毎日、自分がやらなきゃいけないことを徹底してできていたと思いますし、改めて、自分は、自分1人の力でここまで来れたんじゃない、家族や友人、今までの恩師とか、そういう方たちの支えがあったから、今ここにいるんだっていうのも再確認できた年だったなっていうふうに思います」
モラントのような派手なプレーはない。
モラントのようなスーパースターだけ見ていると一見派手に見えるNBAの世界だが、まわりを見渡すと、自分のようにドラフト外でNBA入りし、マイナーリーグから上がってきて、少ない機会を活かし、自分の持ち味を発揮することでしぶとく生き延びている選手も大勢いる。
「僕は、ジャ・モラントみたいな派手なプレーはできないですし、ああいう選手になろうとも思っていない。派手なプレーは他の人たちに任せて、ディフェンスだったり、ルーズボールだったり、スペースを見つけて飛び込んでいくだとか、そういうことを自分はやっていかないと。特にNBAでは、見えないところで活躍できるという部分を極めていかなきゃいけないのかなというふうに思っています」