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渡邊雄太の成長と見習うべき選手。
来季契約の行方、コーチ陣の評価は?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byJoe Murphy/NBAE via Getty Image
posted2020/08/26 18:00
NBA2年目を終えた渡邊。ともにグリズリーズでプレーする21歳のモラントのような派手さはないが、自分の進むべき道をしっかりと見極めている。
見習うべきトリバーの姿勢。
たとえば、3月上旬、シーズンが中断する少し前にグリズリーズに入ってきたアンソニー・トリバーは、ドラフト外でNBA入りし、今シーズンで12年目、グリズリーズで10チームというジャーニーマン選手だ。グリズリーズとも当初は10日間契約で、シーズン再開が決まった6月になってようやく、シーズン終了までの契約を獲得した。控えのビッグマンとしての加入だったのだが、再開後のシーズンで、2年目のスター選手、ジャレン・ジャクソンJrが故障で離脱したことで、途中からスターターに抜擢された。
「彼は、一番のベテランなのに、練習の態度を見ていても、最後まで一人で残ってシューティングをやったりしていました。
たぶんですけれど、最初、ヘッドコーチとしてはシーディングゲーム(再開後のレギュラーシーズン試合)のローテーションの中に考えていなかったと思う。それでも練習の中だったりとか、シーディングゲーム前のスクリメージで改めてチームに必要な選手なんだっていうのをアピールして、JJ(ジャクソン)が怪我したのもあってスタメンになった。ああいう姿勢っていうのは、僕もしっかり見習っていかなきゃいけないなっていうのは感じました」
脇役に徹するイングルス。
あるいは、渡邊が大学時代から参考にしているジョー・イングルス(ユタ・ジャズ)。彼もドラフト外からマイナーリーグやヨーロッパのチームを渡り歩き、やっと契約できたロサンゼルス・クリッパーズからは開幕前にカットされた。その後、契約したユタ・ジャズは持ち味を発揮できる環境で、今シーズンで6シーズン目になる。
「身長が自分と同じぐらいで、同じレフティで、すごく器用な選手。得点もできるんですけれど、同じチームメイトにドノバン・ミッチェルやルーディ・ゴベアなど、オールスター選手がいる中で脇役にも徹することができる選手。そういう選手が自分の目指すべきところ。彼のプレーはよく参考にしていて、ああいうタイプの選手になれたらなというふうに思っています」