酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
石井一久GMは補強も放出も敏腕。
週刊セパ好成績&珍記録まとめ。
posted2020/08/25 08:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
波乱に満ちた今シーズンも折り返し点が見えてきた。ここまで大きなトラブルがなかったのは幸いだ。
【今週の“ぴかイチ” 楽天 石井一久GM】
これまでは選手を取り上げてきたが、楽天の新加入選手の成績を見ていて石井GMについてぜひ触れたいと思った。
現役時代は茫洋としたイメージだった。エージェントは吉本興業だし、奥さんが著名なアナウンサーでもあるし、筆者は“石井一久は引退したら芸能界入りだろうか”と思っていた。
しかし2018年8月に東北楽天ゴールデンイーグルスに取締役ゼネラルマネージャーとして入団したとたん、目の覚めるような活躍だ。
今季の楽天の主な新戦力の成績を、昨年の同時期(56試合消化時点)と比較してみよう。
<ステフェン・ロメロ>
2019年 オリックス
24試82打22安4本12点1盗 率.268
2020年 楽天
50試178打53安15本35点0盗 率.298
<鈴木大地>
2019年 ロッテ
53試187打54安6本28点2盗 率.289
2020年 楽天
56試226打75安2本34点0盗 率.332
<涌井秀章>
2019年 ロッテ
10試3勝3敗60回50三振 防率3.90
2020年 楽天
9試8勝0敗61回57三振 防率2.21
<牧田和久>
2019年 米マイナーでプレー
2020年 楽天
25試1勝1S9H 23.2回17三振 防率1.52
<池田駿>
2019年 巨人
2試0勝0敗1回1三振 防率18.00
2020年 楽天
4試0勝0敗4.2回3三振 防率9.64
<高田萌生>
2019年 巨人
2試0勝0敗5回7三振 防率5.40
2020年 楽天
一軍出場なし
ロメロ、鈴木大地が打撃好調。
先日、監督交代劇があったオリックスのファンは「ロメロをなんで出してしもたんや!」と嘆いている。昨年のロメロは故障で出遅れたが打撃は悪くなかった。今季は楽天の5、6番で実に勝負強い打撃を見せている。
鈴木大地はロッテではポジションがころころ変わる中、結果を出してきた。今季は2番三塁にほぼ固定されて3割を軽く超える活躍だ。
涌井の復活は多言を要しないだろう。史上初の3球団での最多勝へ向けてまっしぐらだ。アメリカから日本球界に復帰した牧田も救援で好成績を残している。
シーズン中にゼラス・ウィーラー、高梨雄平とのトレードでともに巨人から来た池田と高田はまだ結果を出していないが、今後に期待が持てる有望な若手だ。