酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
菅野智之とパのエース、ダルは?
MLBが気遣う“投手酷使指数”比較。
posted2020/08/24 18:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
(L)Kiichi Matsumoto/(R)Getty Images
6月から始まったペナントレースもまもなく折り返し点だ。各球団の試合数は55試合前後。勢力図が固まりつつあるが、セ・リーグとパ・リーグで投手起用の方針がくっきりと違うことが見え始めてきた。
<両リーグの先発、救援別の投手成績 ※記録はいずれも8月23日時点>
〇セ・リーグ
・先発
116勝116敗17完投6完封
平均5.56回 92.4球
・救援
36勝36敗63セーブ224ホールド
平均3.25回 56.3球
〇パ・リーグ
・先発
102勝112敗5完投3完封
平均5.43回 92.5球
・救援
57勝47敗78セーブ268ホールド
平均3.36回 58.6球
セの方が明らかに完投数が多い。
ざっくり言うと、セ・リーグのほうが先発で勝敗が決まることが多い。そして完投数はセの17に対してパが5とはっきりした違いがある。
パ・リーグは救援投手が登板して以降に勝敗が決まることがセよりも多い。当然だがセーブ数、ホールド数も多い。
しかしながら先発、救援の平均投球回数、投球数にはそれほど差はないのだ。
ここから何がわかるか?
セ・リーグの先発投手は、同点でマウンドを降りることがパ・リーグよりも少ない。そしてセ・リーグは、特定の投手=エースには、最後まで投げさせることが多いということだ。