熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑のブラジル現地通訳に聞く。
「偉大なプロフェッショナルだよ」
posted2020/08/23 11:30
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Sports Graphic Number
リオで日々、本田圭佑(ボタフォゴ)とともに過ごす小柄なブラジル人がいる。
ジェアン・アブレウ氏、25歳。ブラジル北部の出身で、4歳のときにボールを蹴り始め、一時はプロ選手を目指した。アメリカ・コネチカット州の大学に入り、国際ビジネスを専攻した。
2月19日、本田が自身のツイッターに「英語が堪能で、ポルトガル語を教えてくれるブラジル人を探している」と書き込んでいるのを見て履歴書を送り、本田本人との面接の末、採用された(つまり、クラブではなく本田自身が雇用している)。
本田のプレーと言動は地元メディアに大きく取り上げられ、彼はすでにボタフォゴの中心選手にして人気者だ。
その一方で、コロナ禍でメディアと選手との接触が制限されていることもあって、本田の日常を肌で知るブラジル人は多くない。その数少ない1人であるアブレウ氏に、クラブ関係者を通じてインタビューを申し込んだ。
ところがあまり表に出るのが好きではないらしく、なかなか承諾してもらえない。ほとんど諦めかけていた頃、本人から「取材に応じましょう」という連絡を受け取った。
飾り気がなく教養がある人物だ。
――本田のことは、以前から知っていましたか?
「長年、ヨーロッパのフットボールの試合を(テレビで)見ており、本田はCSKAモスクワ時代から知っている。彼のワールドカップでのプレーも見た。好きな選手の1人で、自分でフットボールのビデオゲームをする際によく彼を選んでいた」
――本田に初めて会ったときの印象は?
「飾り気がなく、落ち着いていて、教養がある人物だと感じた。とてもスムーズに話ができた」
――具体的に、どのような仕事をしているのですか?
「すべてのチーム練習に同行し、クラブスタッフやコーチングスタッフ、チームメイトらとのやりとりの(ポルトガル語から英語への)通訳を務めている。本田のチームメイトへの冗談を訳すこともあるよ。また毎日、彼にポルトガル語を教えている」