スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
久保建英を智将エメリ自ら口説く。
ビジャレアル初タイトルへの本気度。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byGetty Images
posted2020/08/20 11:30
“好チーム”から“タイトルを狙えるクラブ”へ。久保建英を手に入れたロッチ会長とビジャレアルは、この1年を勝負とみているようだ。
「常にボールを支配していたので」
昨季マジョルカでは1人レベルの違うプレーを見せたが、チームを2部降格から救うことはできなかった。スペイン1年目で残した4ゴール4アシストは悪い数字ではない。
ただ、より攻撃の機会が増えるはずのビジャレアルではゴールに直結するプレーを増やし、チームを勝たせる存在となることが求められる。
「このチームでプレーできることをうれしく思う。ビジャレアルとの対戦では彼らが常にボールを支配していたので、プレーリズムに付いていくのに苦労した。これから逆の立場になることを考えるとわくわくしてくる」
8月11日に行われた入団会見にて、久保はビジャレアルでのプレーに対する期待感を口にしていた。
グロゲ(バレンシア語で黄色。ビジャレアルの愛称)に悲願の初タイトルをもたらすことができれば、久保はクラブの歴史に名を残す英雄の1人となるだろう。
そしてもちろん、目指すレアル・マドリーでの成功にもつながるはずだ。