炎の一筆入魂BACK NUMBER
最下位カープに足りない「活気」。
いま試される3連覇メンバーの姿勢。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/08/18 11:40
田中広輔は打率.227、菊池涼介(写真)は.248。かつての1、2番コンビが下位打線に並ぶのは寂しい。
ハイライトは何度だって訪れる。
3連覇の立役者でもある田中広輔、菊池涼介の二遊間コンビは今季も守備面で安定し、佐々岡監督も絶大な信頼を寄せる。しかし、攻撃面では下位打線に並んだ彼らが存在感を発揮できているとは言い難い。田中広は31歳、早生まれの菊池涼は30歳の同学年。まだ老け込む年齢ではない。
彼らにとって「3連覇」はプロ野球人生において輝かしいハイライトとなるだろう。だが、人生のハイライトは何度だって訪れる。プロ野球人生の晩年に最大のハイライトをつくった2人の先輩が示してくれた姿を今、思い出してもらいたい。状態が万全でなくても、調子が悪くても、若手に示すことができる姿はある。
「勝つ気」に飢えた広島ならきっと「活気」を取り戻せるはずだ。クライマックス・シリーズのない今シーズン、残り試合を消化試合にするにはまだ早すぎる。