プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
息子と同じ33歳差の初シングル対決。
武藤敬司が清宮海斗に伝えたもの。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/08/11 19:00
今となっては古典的な技「足4の字固め」。武藤敬司は節目節目に、この象徴的な技を使ってきた。
「(清宮は)爆発的な何かを今から身に着けないとダメ」
「(清宮は)平均的になんでもこなすけれど、やっぱり爆発的な何かを今から身に着けないとダメだろうな。何かしら、すごいものをね。何年かかるかわからない。でも、アイツのプロレス人生は長いんだから、頑張ってほしいよ」
武藤は清宮に足りないものを指摘した。36年のキャリアから4年8カ月のキャリアに送られたメッセージは重みがあった。
「試合が終わったら、もしかしたら、清宮の心が折れているかもしれない。その時は、ごめんなさい」という試合前の武藤の危惧は心配ないだろう。清宮はこの敗戦から自分に足りないものを探す戦いをまた始めることになる。