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カズ53歳初出場、ブラジル時代の
盟友も感激。「奇跡のような男だ」

posted2020/08/10 11:40

 
カズ53歳初出場、ブラジル時代の盟友も感激。「奇跡のような男だ」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

今季公式戦初出場ではつらつとしたプレーを見せたカズ。遠くブラジルの地も喜びの声で沸いている。

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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J.LEAGUE

「53歳5カ月での公式戦出場だって? それも先発で? 素晴らしい! 闘病中のパウミーロ元会長にも伝えるよ。すごく喜んでくれるに違いない」

 電話の向こうで、野太い声が弾んでいた。声の主はエドワルド・カッフェウ氏。1980年代、サンパウロ州内陸部に本拠を置くキンゼ・デ・ジャウーの副会長を務め、1984年から85年までU-20で、そして1988年にトップチームで活躍したカズ(三浦知良)を良く知る人物である。

 カズは5日に開催されたルヴァンカップCグループ第2節、サガン鳥栖戦に先発出場。2017年に土屋征夫(当時甲府)がマークした「42歳10カ月0日」の同大会最年長出場記録を「53歳5カ月10日」に更新した。それについてコメントを求めると、以下のように喜びのコメントとエピソードを寄せてくれた。

「数年前にもサンパウロで……」

「ブラジルでは試合のテレビ中継がなく、プレーが見られなかったのは残念。でも、我々もとても嬉しい。彼のような偉大な選手がかつてキンゼに在籍してくれたことを誇りに思う。カズを実の息子のようにかわいがっていたパウミーロは高齢で今、体調を崩して入院している。でも、彼にもこのニュースを伝えるよ。

 カズにはパウミーロと一緒に東京での結婚式に招待してもらったし、数年前にもサンパウロ市内で会った。

 そのとき『いつまでプレーするつもりなのか? 引退後は何をするか決めているのか?』と聞いたら『引退後のことは、何も考えていない。できるだけ長くプレーしたいんだ』と話していた。そして、まさにその通りのことをやっている。驚くべき男だ。本当にフットボールが好きなんだな」

 最後に、こう付け足した。

「カズは、我々キンゼのクラブ関係者、さらにはジャウー市民全員の誇りだ。これからも、キンゼとジャウーの町を代表しているつもりで、最高のプレーを見せ続けてほしい」

【次ページ】 かつてのチームメートも大喜び。

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