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レイソルの“J2オールスター”化。
個人昇格組の適応と「福岡修行」。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/07/31 11:40
J2で育った選手がJ1でも存在感を発揮する流れは拡大しているが、中でもレイソルは顕著だ。
柏の個人昇格組の適応力が際立つ。
J2で活躍した選手の“個人昇格”は、柏の選手たちに限ったことではない。モンテディオ山形からセレッソ大阪へ移籍したドリブラーの坂元達裕、徳島ヴォルティスから横浜F・マリノスに加入したGK梶川裕嗣、浦和の得点源となっているレオナルドらは、新天地で力強い足跡を刻んでいる。
ガンバから期限付き移籍した昨シーズンの京都で17得点をあげ、今シーズンは横浜FCへ期限付き移籍した一美和成も、7節まで全試合に先発して2ゴールを記録している。神谷や上島と同じ'97年生まれの彼も東京五輪世代だ。
その一方で、J1では活躍できていない選手もいる。試合に絡めていない理由は人それぞれなのだろうが、それだけに、柏の“個人昇格組”の素早い適応が際立つ。
昨シーズンの柏は、J2で戦っていた。J2の各チームと実際に対戦したネルシーニョ監督は、自らのチームに照らし合わせながら相手チームの選手をチェックすることができた。実効性のある補強ができているのだ。
ところで、今シーズンの柏は岡山、長崎、愛媛、新潟、福岡などのファン・サポーターにとっても、気になる存在ではないだろうか。J1へステップアップした選手を温かく見守っていく風土のようなものが、J2リーグ全体に育まれている。それもまた、柏にとっての追い風となっているのかもしれない。