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札幌の無敗は荒野拓馬が支えている。
ミシャ式を極めた先に代表もある。
 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/07/31 20:00

札幌の無敗は荒野拓馬が支えている。ミシャ式を極めた先に代表もある。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

荒野拓馬は時に自分を抑えられなくなるほどに勝負に対して熱い男である。それをいい方に生かす方法を見つけてほしい。

ミシャ式に適応すれば代表にも?

 荒野は、コンサドーレU-18時代は10番をつけて将来を嘱望され、2014年にはアジア大会を戦うU-21日本代表に選出された。リオ五輪を目指す世代別代表にもたびたび呼ばれていた。アジア選手権は招集されず、リオ五輪にも参戦できなかったが、能力的にカテゴリー別での代表基準は満たしていたのだ。

 今の日本代表監督は、ミシャの薫陶を受けた森保一監督である。

 この日のように粘り強い守備と、攻撃力をもってすれば、初の日本代表入りも見えてくるだろう。今の荒野には、日本代表へのチャレンジも十分可能なレベルにある。

 マリノス戦後、荒野は今後にむけてこう語った。

「結果だけみたら勝利に貢献するプレー、結果が出ているけど、この1試合で仙台戦でのプレーがすべて帳消しになるわけではない。年間通してチームにどんどん貢献していきたいと思っているし、これを継続することが自分の成長に繋がるのかなと思っています」

札幌の無敗は荒野にかかっている。

 27歳は一番戦える年齢でもあるし、まだまだ成長できる。

 チームメイトの鈴木を始め同世代の中島翔哉、遠藤航、南野拓実、大島僚太らは今も成長しつづけ、日本代表で活躍している。リオ世代が中心になる2022年カタールW杯で、この日のようなパフォーマンスを荒野がつづけ、成長していけば日本代表のボランチ枠争いに名乗りを上げ、代表を活性化することができる。

 そういう存在になれば、札幌は自然に荒野のチームになっていく。

 次の神戸もやっかいな相手だが、荒野がどんなプレーを見せてくれるのか。

 荒野が渋く輝けば札幌の無敗記録は、しばらくつづくだろう。

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