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ペレは英雄、「マイアミの奇跡」で
GKジダは?ブラジル特有の人種問題。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2020/07/29 17:00

ペレは英雄、「マイアミの奇跡」でGKジダは?ブラジル特有の人種問題。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

アトランタ五輪、日本戦でロングボール処理を誤ったアウダイール(左)とジダ。試合後、2人はいわれもない批判を浴びたという。

ロマーリオ&ロナウジーニョも大人気。

 1980年代から'90年代にかけて人気を博したのはロマーリオ。小柄だが敏捷で、テクニックがあり、決定力が抜群。夜遊びが過ぎて再三練習をすっぽかしたが、「遊んできた方が、体が軽くなって良いプレーができる」とうそぶいた。1994年W杯で5得点を奪い、ブラジルを優勝に導いた。

 またクラブではヴァスコダガマ、バルセロナなどで1040試合に出場して860得点を記録したとされる。これでも十分にすごいが、ユース時代の得点などを加えて水増しし、「通算1000得点を達成した」と主張して憚らなかったのが、ロマーリオらしいといえる。

 現役引退後は、政治家に転身して周囲を驚かせた。「スポーツの振興と社会福祉に力を注ぐ」と公約して上院議員に当選し、現在は下院議員を務めている。

 魔法のようなテクニックと創造性を発揮したのが、ロナウジーニョだ。

 グレミオで頭角を現わし、PSG(フランス)を経てバルセロナ(スペイン)などで活躍。2004-05シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(CL)で優勝し、2004年から2年連続で世界最優秀選手に選ばれた。セレソンでは、2002年W杯で優勝した。

 2018年に現役を退き、以後は「フットボール伝道師」として世界各国で行なわれる記念試合やイベントに参加して妙技を見せる。しかし今年3月、パラグアイへ入国した際に偽造パスポートの使用が発覚して逮捕されて以後、首都アスンシオンのホテルに勾留されている。良くも悪くも、その注目度は現役引退後も非常に高い。

栄光に包まれた英雄の一方で。

 ブラジルの黒人もしくは褐色のスター選手の大半は、アタッカー。彼らの現役時代は、輝かしい栄光に包まれている。

 その一方で、尋常ならぬ悲哀を味わった者もいる。

 1940年から1962年までイピランガ、ヴァスコダガマなどでゴールを守ったバルボーザはその1人である。バルボーザは抜群のジャンプ力と高度なキャッチング技術で国内最高のGKと評された。

 1950年の自国開催のW杯では、全試合でフル出場。ほぼ完璧なプレーを続けていたが、最終戦の宿敵ウルグアイとの試合で取り返しのつかないミスを犯してしまった。

【次ページ】 マラカナンの悲劇で失点を喫し……。

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