拓真から布教活動の恩返しが。

　尚弥とのアニメ“タイトル戦”に敗れた浩樹だったが、すぐ立ち直り、弟・拓真にターゲットを定める。

「拓真には『灰と幻想のグリムガル』や『終わりのセラフ』、『甲鉄城のカバネリ』など戦闘があったり、異世界を舞台にした作品を勧めましたね。アニメのオススメを聞かれて、そのクール放送のいくつかのタイトルの3話くらいまで見てもらったこともありました」

　最近、浩樹にとってその布教活動の恩返しとも言えるような嬉しい出来事があった。

「5月ころ家の玄関に荷物が置かれていたんです。なんだと思って開けてみたら、拓真からの誕生日プレゼント、しかも僕の大好きな南ことり（『ラブライブ！』）のフィギュアでした。家には既に15体ほどフィギュアがあるんですけど、僕がまだ持っていなく、買おうと思っていたプラモデルタイプのものでした。どこからか調べて買ってくれたのかと思って、本当に感激しました」

アニメファンですら難解な元ネタ。

　南ことり。女子高生が廃校間際の高校を救うためスクールアイドルを目指す『ラブライブ！』の主人公の同級生で、カリスマホストROLANDも推しであることを公言するなど幅広いファンを獲得しているキャラだ。その魅力をラブライバー・浩樹はこう表現する。
　
「もともとスクフェス（スマホゲーム版）からやっていて、ことりちゃんは完全に癒やしの存在ですね。あの声によって本当に脳みそがとろけそうになるんですよ。

　でも声優が舞台に立つ『ラブライブ！』の公演映像をふと見た時、この無邪気な天使は誰なんだ、と衝撃が走ったんです。それが矢澤にこ役の徳井青空（通称そらまる）さんでした。

　これは生で見るしかないと、ライブにも足を運ぶようになりました。一見、ダンスは得意ではなさそうに見えるんですが、その中で努力して成長していく姿にさらに惹かれていきました。（『けいおん！』の）りっちゃんもですけど、頑張っている姿が好きなんですよね。

　今回の外出自粛の期間中も、そらまるさんがYouTubeで生配信をしていたりしたので、投げ銭してコメントを読んでもらおうとしたりしていました」

　2015年のプロデビュー戦では、徳井さんが出演していた『探偵オペラ ミルキィホームズ』の関連番組中に製作したＴシャツに入れた言葉、「わがままこそがスターさ」をトランクスに入れた。

　もはやアニメファンですら難解な元ネタをボクシングファンが知っているはずもなく、「意味がわからない」と言われたこともあったという。

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