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内藤哲也でもオカダでもなかった……。
裏切り者・EVILがIWGP新王者に!
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/07/13 20:00
ニュージャパンカップで優勝した翌日の試合で、IWGPヘビー&インターコンチネンタル王者・内藤哲也を破ったEVIL。
EVILの優勝を予想した内藤に皮肉な運命が。
そもそも「ニュージャパンカップはEVILが優勝する」と予想したのは内藤だった。だから、EVILとの対戦は想定内だったはずだが、その内藤ですら、EVILのまさかの裏切りに動揺を隠せなかった。
内藤との二冠かけた戦いでは、次から次へと用意周到に仕組んだ計画が実行されていった。
バレットクラブの外道らだけでなく、ノーマークのディック東郷を「最高のパレハ」に指名して、内藤をワイヤーで締め上げさせ、徹底的に消耗させた。
東郷は2011年に日本ではプロレスを引退した選手だが、現在はカムバックしており、現役選手としては海千山千のやり手。その東郷をバレットクラブに迎え入れたのだった。
EVILの初防衛戦は高橋ヒロムが相手に。
試合終了後、高橋ヒロムが新王者EVILを挑発した。
「おい、EVIL、今、どんな気持ちだ? 人を裏切るって、どういう気持ち? どういう感覚なの? 教えてよ。教えろ。教えろって言ってんだよ。お前の裏切りなんてどうだっていいんだよ! なあ、今どんな気持ちなのか、それだけ教えろよ」
EVILは高橋の挑発に対して終始無言だった。最終的にこの流れは、ヒロムがEVILの王座に挑戦を申し込む光景になっていった。「2本いっしょが嫌だったら、1本でもいいから」と付け加えてまでの「お願い」である。
IWGPジュニアヘビー級王者のヒロムが、7月25日の愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)でEVILのIWGPヘビーとインターコンチネンタルに挑戦することが正式に決定した。
「オイ、ヒロム、病み上がりだろ。オレの攻撃にその首が耐えられるかな」
EVILの初防衛戦は狂気じみたものになるだろう。