大山加奈のVolleyball is Life BACK NUMBER

大山加奈に刺さった高校生の言葉。
オンラインを通じて見えたものとは。 

text by

大山加奈

大山加奈Kana Oyama

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photograph byRIGHTS.

posted2020/06/30 11:30

大山加奈に刺さった高校生の言葉。オンラインを通じて見えたものとは。<Number Web> photograph by RIGHTS.

「セイトーーーク!!」と題したライブ配信では黒後愛や石川真佑ら後輩たちが参加。写真:YouTubeチャンネル「セイトーーーク!!」より。

勝たなければ監督に怒られる。

 なぜそんな風に思うのか。

 彼女は、大会になれば勝たなければ監督に怒られるから。でも自分に自信がないからいつも怯えながらプレーをしているし、仲間に迷惑をかけてはいけない、と不安しかない。最後までそんな思いをするぐらいなら、大会がなくなったことで怯えながらプレーする必要がなくなった。だから「ホッとしている」と言うのです。

 好きで始めたバレーボールを、大人のせいで楽しむどころか苦しむことしかできず、集大成である最後の大会も「怖い」と感じて臨まなければならない。胸が締め付けられるような苦しさを感じたのと同時に、このままバレーボールを嫌いにならず、取り組んできた時間を少しでもプラスにするために、私に何ができるだろうと真剣に考えました。

 そして、さまざまな人たちの意見も聞きながら思いついたのが、Zoomを使って全国各地のOGたちと語り合う「セイトーーク!!」と題したオンライントークの開催でした。

少しでも「楽しい時間」になれば。

 第1弾に出演してくれたのは後輩の冨永こよみ(埼玉上尾)、大竹里歩(デンソー)、黒後愛、石川真佑(共に東レ)、そして妹の大山未希です。私と同じように「何かしたいけれど、何をしたらいいかわからない」と思っていた現役選手に発信する機会をつくると同時に、小中高校生や大学生が日本代表経験を持つ選手たちが話す姿を見ることで、少しでも「楽しい」と思ってくれるような時間をつくりたいと考えました。

 見方によっては、OGたちが集まって話しているだけ、と捉える方もいるかもしれません。ですが、まさに今、日本の代表チームやトップリーグで活躍する選手たちは紛れもなく、小中高生にとっては憧れの存在です。親御さんたちからの「大会をやらせてあげてほしい」という声と同じぐらい、学生たちから「Vリーグの選手と試合がしたい」「Vリーグチームの練習を見てみたい」という声も多く寄せられています。憧れの選手たちが高校時代どんな風に過ごしてきたのか。それを伝えるだけでも元気になれるのではないか、という私の願いに賛同し、快く引き受けてくれた後輩たちのお陰で再生回数も多く、たくさんの方に見ていただくことができました。

【次ページ】 それぞれの居場所を見つけ、輝く。

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