福永祐一の名言 

日本ダービーを制し、父ディープインパクト以来15年ぶりとなる無敗でのクラシック2冠を達成したコントレイル。決戦前、鞍上の福永はこの馬の底知れない力を語っていた。自らを「準備してから臨むタイプ」と言うように、福永は念密に作戦を練って皐月賞に臨んだ。だが、その読みが外れた。「ある程度のポジションで進められそう」と目算を立てたが、いざゲートが開くと、コントレイルは緩い馬場を嫌がったか、2コーナーを回ったときには最後方の位置どりに。想定外のレース展開となった。しかし、「ゴールまで突き抜けそうだった」という段違いの脚を第4コーナーで発揮し、完勝。ダービーへの伏線を作り出した。「僕が唯一間違っていなかったのは、コントレイルの力を信じきれたこと」と、ジョッキーとしての収穫を喜んだ福永。このコンビが歴史を塗り替える日は、そう遠くはないはずだ。

Number1003号(2020/05/21)