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NFLと米サッカー協会が過ちを謝罪。
スポーツ界の政治忌避は過去の物に?

posted2020/06/16 18:00

 
NFLと米サッカー協会が過ちを謝罪。スポーツ界の政治忌避は過去の物に?<Number Web> photograph by AFLO

ドルトムントの20歳、ジェイドン・サンチョも自らの正義を示した。スポーツ界の政治アレルギーも変わっていくのだ。

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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AFLO

“Do the right thing!”

 白人警官に殺されたジョージ・フロイド(5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで46歳の有色人種男性フロイドは、食料品店で偽造紙幣を使用した疑いで複数の警官に取り押さえられ、そのうちのひとりに膝で首を約9分間にわたって圧し続けられ、窒息死した)の弟はアメリカ議会に、このような悲劇を繰り返さないために、「正しいことをしてほしい」と訴えた。

 1989年に公開されたスパイク・リー監督の映画のタイトルそのままの言葉は、有色人種だけでなく、より良い社会を望む人々すべてに共通する想いだ。

 組織的な人種差別撲滅や警察改革を求める抗議活動(Black Lives Matterムーブメント)は、スポーツ界にも広がっている。そして各競技団体は、選手たちが平和的に抗議する権利を制限した過去の過ちを認めはじめた。本稿では、フットボール界の動きを紹介したい。

NFLが国歌斉唱時のポリシーを覆した?

 6月5日、NFL(アメリカ・プロフットボールリーグ)のコミッショナー、ロジャー・グッデルはビデオで次のように声明を発した。

「我が国、特に我が国の黒人たちが困難な状況を迎えている。ジョージ・フロイドとその家族、そのほか警察の残忍な行為の犠牲になった人々に、お悔やみを申し上げる。

 我々NFLは、人種差別と黒人への組織的な迫害を非難する。我々NFLは、これまでにNFLの選手たちに耳を傾けなかった自分たちの過ちを認める。そして彼らに発言や平和的な抗議を促さなかったことにも。我々NFLは、黒人の命が尊いものと信じている」

 つまりNFLは、国歌斉唱時に起立して国旗に顔を向けるべきとするポリシー(ルールとは異なり強制力はない)を覆したと受け止められている。

【次ページ】 キャパニックの時と大きく変わった対応。

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