フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ブラジル代表監督チッチが大胆告白。
「ネイマールは代替不能な存在でもない」
text by
パトリック・ウルビニPatrick Urbini
photograph byYann Le Duc/L'Equipe
posted2020/06/15 11:45
情熱的でありながら、一方でブラジル代表の指導者として気品ある静けさも身にまとうチッチ代表監督。
ベネズエラでさえ代表選手の大半は欧州でプレー。
――ヨーロッパから見たら、ブラジルはWC予選を18試合戦っても何の意味もないように見えますが……。
「すべての試合が厳しいのは間違いない。どのチームも間違いなく大きく進化していて、20年前や30年前とはそこが大きく異なる。どの国も本当によく働いている。インフラを整備し、方法論を進化させ、プレーの戦略もどんどん向上している。ベネズエラのような小さな国ですら、今は代表選手の大半がヨーロッパでプレーしている。
予選の最初はキトでのエクアドル戦だった。そのときは『選手たちはまだ自信を失ったままだ。だからキトではそれを取り返したい』と思っていた。
だが、試合が始まるや否や、相手は猛烈なプレスをかけてきた。最後の15分間で違いを作り出すことができて3対0で勝ったが、簡単な試合ではなかった。対戦相手がブラジルの名前を恐れ、ホームゲームといえども低くブロックを固めてカウンターを狙ったのは今や昔だ。今日では南米のどのチームも、ブラジルにひと泡吹かせようと虎視眈々と狙っている」
――それでも《ブラジルはブラジル》として屹立させるのが、あなたの使命であるわけですね。今日はどうもありがとうございました。
(【前編】ブラジル代表監督、独占インタビュー。チッチ「ブラジルは常に革新されねば」 を読む)