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アーモンドアイはなぜ負けたのか。
グランアレグリアが安田記念制覇。

posted2020/06/08 11:50

 
アーモンドアイはなぜ負けたのか。グランアレグリアが安田記念制覇。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

アーモンドアイらを抑えてグランアレグリアとともに先頭を駆け抜け、池添謙一はガッツポーズを見せた。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

「芝GI8勝の壁」は、やはり分厚く、高かった。

 無観客で行われた第70回安田記念(6月7日、東京芝1600m、3歳以上GI)を、池添謙一が騎乗した3番人気のグランアレグリア(牝4歳、父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)が優勝。

 単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持されたアーモンドアイは2馬身半差の2着に敗れ、シンボリルドルフ、ディープインパクトらを超える、歴代最多の芝GI8勝目を挙げることはできなかった。

 なぜアーモンドアイは負けてしまったのか。

 前夜の雨で芝コースは水気を含んでいたが、それでも初夏の陽差しと風を受け、稍重まで回復していた。

 アーモンドアイは、2年前に稍重で行われたシンザン記念を勝っており、この程度の道悪なら問題ないと思われた。

 パドックを大股でゆっくりと歩き、落ちついていた。騎乗したクリストフ・ルメールも「コンディションはよかった」と話していた。テンションが上がりやすいこの馬にとって、無観客競馬はプラスに作用したはずだが、それを差し引いても、いささかおとなしすぎるように見えた。

 やはり、初めての中2週という短い間隔の実戦となったため、いわゆる「目に見えない疲れ」が溜まっていたのだろうか。

スタートでの小さなロス。

 スタートの瞬間、アーモンドアイはゲートの前扉に突っ込むような体勢になった。そのため、もっとも速くゲートを出た馬より1馬身ほど出遅れてしまった。ルメールも腰を落とし気味になったが、ゲートからの5、6完歩でどうにかリカバリーして中団の後ろにつけた。

 他馬に寄られて大きく立ち遅れた昨年に比べるとロスは小さかったが、それでも、前走のヴィクトリアマイルなどに比べるとスムーズさを欠くことになった。

【次ページ】 ラスト3ハロンも全体の3番手。

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