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中澤佑二×熊谷紗希
「やっぱり楽しむことが大事!」 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

PROFILE

photograph byBS Asahi

posted2020/06/03 11:00

中澤佑二×熊谷紗希「やっぱり楽しむことが大事!」<Number Web> photograph by BS Asahi

「できる、できない」の前に「やる」

中澤 本を読む以外に、この自粛生活中に始めたことはありますか?

熊谷 始めたというか、サッカーができない分、いつもよりきついトレーニングをやらざるを得なくなりましたね。トレーナーからメニューが送られてくるのですが、リモートのくせにチーム内で時間とか競わせるんですよ(笑)。

中澤 そういうの、めちゃくちゃ頑張る人いますよね(笑)。僕は縄跳びを始めました。1分跳び続けて30秒レストする、サーキットトレーニングみたいなもの。時間が短くても、心肺機能や筋肉にしっかり負荷がかかるし、カロリーも消費できるので、非常にいいトレーニングだなと再認識しました。こういった状況下だと、何ができるか、できないかと考えがちだと思うのですが、僕は現役時代から、「できる」「できない」じゃなくて、まずは「やる」「やらない」で答えを出すというのがモットーなんです。

熊谷 今回の自粛はみんなの命を守るためのことだけど、やっぱり目標にしていたものの目処が立たない状況は辛いと思います。ただ、幸いにも私も落ち込むことはなくて、自分のためにやれることをやろうと思っています。

中澤 自粛生活の中でも新しいことにチャレンジできるし、その先に何かが生まれてくると僕は思っていて。そもそも「できる」「できない」で判断すると行動に移せないんですよ。そうすると何も起きないですよね。思いついたらまずやってみる。もし失敗したら、そこで初めて立ち止まって、しっかり考えてみればいい。

「楽しむ」ために今できることを。

熊谷 私は楽しむことも大切にしていて。やらなきゃいけないことでも、どんなことでも楽しむ。今はボールが蹴れないし、トレーニングもきついけど、それでも続けられる自分って、やっぱりサッカーが好きなんだなということを実感できました。

中澤 楽しむってすごく大事ですよね。僕、小・中学校とサッカーをやってましたけど、楽しんだことって一度もなくて。

熊谷 え~~!?

中澤 そういう時ってやらされている感覚で、自分から取り組むという気持ちがないから、上達もしないんですよ。楽しい気持ちはプレーの上達にもつながるので、そうやって日々過ごすのはいいことですよね。ただ、現実はそんなに甘くなくて、なかなかできないんですけど(笑)。それでも、その気持ちを持っている人はやっぱり前に進んで行きます。

熊谷 本当にその通りです。やりたいのにやれないことなんて、普段からたくさんあるじゃないですか。そのなかでやる決断をする、自分がどうであるかを考える、そこに尽きると思っています。リーグが再開されたら、試合よりもサッカーを楽しみたいという純粋な嬉しさが湧き上がってくると思っていて。だからこそ、今できることを一生懸命やりたいですね。

中澤 佑二Yuji Nakazawa

1978年2月25日、埼玉県生まれ。1998年に練習生としてヴェルディ川崎に加入。翌年にプロ契約を勝ち取ると、同年に日本代表デビュー。2000年シドニー五輪にも出場した。W杯は2006年ドイツ大会、2010年南アフリカ大会の全7試合に出場。国際Aマッチ110試合、17得点。JリーグではMVP1回、ベストイレブン6回、新人王など数多くのタイトルを獲得。2019年に引退し、現在は幅広く活動中。

熊谷 紗希Saki Kumagai

1990年10月17日、北海道生まれ。小学3年生からサッカーを始め、宮城県の名門・常盤木学園高校に進み、在学中の2008年になでしこジャパン初選出。2011年女子W杯で優勝した後、ドイツの1.FFCフランクフルトに、2013年にはフランスのリヨンに移籍。その後はUEFA女子CLで4回の優勝に貢献するなど中心選手として活躍中。現在はなでしこジャパンの主将も務める。

ナビゲーターの俳優・田辺誠一さんがアスリートの「美学」を10の質問で紐解き、そこから浮かび上がる“人生のヒント”と皆さんの「あした」をつなぎます。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。

第110回
中澤佑二×熊谷紗希(サッカー)

6月5日(金) 22:00~22:24

今月はトップアスリートがクロストークを繰り広げる新企画でお届け! オンラインで結ばれた2人が「10の質問」をテーマに語り合うことで、より言葉と美学を深めていきます。今回のゲストは「おそらく初対面」という元Jリーガー・中澤佑二さんと、なでしこジャパンの熊谷紗希選手。DFリーダー、そして日本代表キャプテンという共通点を持つ2人の強さと美しさがクロスします。キャプテン論を語り合ううちにトークは熱を帯び、組織論やチーム論にまで話が及ぶほか日本代表の裏話も飛び出します。

第111回
朝原宣治×木村文子(陸上)

6月12日(金) 22:00~22:24

トップアスリートによるクロストーク企画第2弾は「陸上」です。ゲストは、日本陸上短距離界のレジェンド・朝原宣治さんと100mハードル・木村文子選手。現役選手として今年を集大成と位置づけていた木村さんが今の率直な思いを、36歳まで現役を続けた朝原さんに吐露。どのように前を向き歩みを進めることができたのか、改めて伝えたいスポーツが持つ力、今回のコロナウイルスの影響で活躍の場を失ってしまった次の世代に伝えたいことなどをリモートで語り合います。

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