沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
デアリングタクトの究極の瞬発力。
オークス制覇の陰にサンデーの血?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2020/05/25 11:40
着差以上の力の差を見せて無敗でオークスを制したデアリングタクト。今年の3歳馬はレベルが高い。
サンデーサイレンスの4×3の威力か。
デアリングタクトの血統構成は、今後も出てくるであろうスターホースのそれを先取りしている。父エピファネイアの母シーザリオの父はスペシャルウィークで、その父は大種牡馬サンデーサイレンス。そして、母デアリングバードの母の父もまたサンデーサイレンスだ。
父方の4代前と、母方の3代前に同じ馬がいる「サンデーサイレンスの4×3」のクロスを持つ馬として、初めてクラシックを制したのがこの馬なのである。
レース前、杉山調教師は「ここを突破できれば、GI馬のなかでも、さらに特別な存在になれると信じています」と話していたが、それが現実になった。
次の大きな目標は秋華賞となる模様。メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイにつづく史上6頭目の牝馬三冠馬となって、また新たな歴史をつくるか。「特別な存在」のさらなる飛躍が楽しみだ。