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読書家・菊池雄星が薦める12冊。
「1日1冊は読みたいですね」
posted2020/05/17 11:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Kyodo News
球音が消え、はや2カ月。アリゾナの自宅で個人練習に励むマリナーズの菊池雄星(28歳)にビデオ通話取材を申し込んだ。
トレーニングの近況も聞きたかったが、球界きっての読書家として知られる彼に「読書」、「本」との関わりを聞きたかった。その中で世界的に「STAY HOME」が求められる今、ファンの皆さんにはどんな本をお勧めしたいのか。取材を快諾してくれた彼は、いつもと変わらぬ人なつこい表情で答えてくれた。
「本は1日1冊は読みたいですね。年間で300冊くらい読めればいいんじゃないですかね。シーズン中は移動が多く、またナイターになれば午前中はゆっくりできるので、そうなると読む量は増えますね」
1日1冊、年間300冊。真の読書家とはこう言うものなのか。スポーツばかりで脳みそまで筋肉系と言われる愚生との違いに驚いた。
「読みやすい本や感情を味わう本など、いろいろな種類の本があると思うので。30分から40分で読める本もあれば、3、4時間かけてじっくり作者や登場人物の気持ちになったりして読むのもありますね」
最近はナイキを創業したフィル・ナイト氏の自伝『SHOE DOG』を読んでいると言う。自身がアドバイザリー・スタッフ契約を結ぶアシックス社との関連もあり「すごく興味があって読んでいます。面白いです」と目を輝かせた。
イチロー本は何度も読み返す。
その一方で、やはり“あのかた”の本について書かれた本はたくさん読むらしい。今も事あるごとに読み返しているという。
「イチローさんの本は常に読んでいる気がします。同じ本でもイチローさんに出会う前と今では感じ方が違って、気づくポイントも違います。何度も読み返していますね。特に28歳の僕と同じ年齢の時のコメントとかを見ると、僕には到底考えつかない考え方と取り組み方をしている。こういう発想を僕と同じ年齢の時にやっていて、本当に驚きの連続なんです」
ともに27歳で海を渡ったメジャーリーグへの挑戦。当時の声を残した『イチロー本』は菊池の教科書にもなっているようだ。