メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
MLBがドラフトを40巡→5巡に。
あぶれた選手が日本に来る可能性は?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2020/05/14 19:00
たとえばトミー・エドマンのようなショートが日本に来るとしたら……、それは全ての関係者にとってwin-winになるだろう。
マイナーリーグは無観客では意味がない。
ところが前出の通り、今年は入団するアマチュア選手の数が大幅に削減されるので、解雇される選手の数も自然と少なくなる。
それはドラフトで指名して契約するであろう30人前後のアマチュア選手の大多数がプレーする場所=マイナーリーグが開催されない可能性が高いからだ。
マイナーの各球団はMLBの各球団のように巨額のテレビ放映権料が入ってくるわけではないので、無観客試合では主な収入源である入場者収入が皆無になる。それに連動した地方のスポンサー収入も入ってこないので、無観客では開催する意味がない(MLB各球団との間に交わされる「選手育成契約」によって、選手の給料を支払う義務はない)。
つまり、今回の雇用機会の削減はマイナーリーガーに対する救済措置であり、それによって興味深い事象が起こる可能性もある。
6巡目以降の選手に日本チームがオファーしたら?
今年のドラフトから漏れた「通常ならドラフト6巡目から40巡目指名までのアマチュア選手」たちには、「ドラフト外」でMLBの各球団と契約するチャンスが残されている。
だが、もしも彼らが「ドラフト外」での契約の提示内容に「NO」と言えば、どうなるか。
大学に進学したり、大学に残ったりする選手以外の若者が、「自分には、もう時間はない」と考えたなら、どうなるだろう。
ドラフト縮小の煽りを食うのはドラフト対象外のドミニカ共和国やベネズエラなどの選手も同じであり、そう考えると今夏、本来はマイナーリーガーとなっていたはずのアマチュア選手の多くが世界中に溢れることになる。
それらのアマチュア選手に、日本や韓国、台湾のプロ野球チームが「そう悪くない契約」をオファーすることが出来れば、過去にないような「野球の国際化」に繋がるのではないかと思う。