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MLBがドラフトを40巡→5巡に。
あぶれた選手が日本に来る可能性は? 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2020/05/14 19:00

MLBがドラフトを40巡→5巡に。あぶれた選手が日本に来る可能性は?<Number Web> photograph by AFLO

たとえばトミー・エドマンのようなショートが日本に来るとしたら……、それは全ての関係者にとってwin-winになるだろう。

バースは7巡目、ブライアントは6巡目。

 昨夏、福岡ソフトバンクと契約したカーター・スチュワート・ジュニア(福岡ソフトバンク 2018年にブレーブスから1巡目指名)のような逸材はいないだろうし、ドラフト6巡目は全体では151位指名より下なので上位指名の候補選手は皆無だろう。

 とはいえ、きちんとスカウティングができていれば、「掘り出し物」が見つかるかも知れない。

 たとえば昨年デビューして、カージナルスのナ・リーグ中地区制覇に貢献したトミー・エドマン内野手は、2016年のドラフト6巡目(全体196位)指名の選手だった。同年の6巡目指名の選手はすでに4人がMLBデビューを果たして、彼以前にも2013年の左腕マット・ボイド投手(タイガース)やアダム・フレイジャー内・外野手(パイレーツ)など、毎年、7人から10人の選手がメジャーリーガーとなっており、中には昨季33本塁打を放ったマーカス・セミエン遊撃手(アスレチックス)などの「掘り出し物」が現れている。

 それに日本プロ野球のシーズン最高打率(.389)の記録保持者で、セ・リーグで2度も三冠王に輝いたランディ・バース(元阪神)は1972年のドラフト7巡目(全体152位)指名、パ・リーグで通算3度も本塁打王になったラルフ・ブライアント(元近鉄)は1度目のドラフトでは1980年の6巡目(全体138位)指名の選手である。

デストラーデはなんと23巡目。

 バースやブライアントは今よりMLBの球団数が少ない時代のアマチュア選手だったので、今なら指名順位がもっと早くなっていただろう。

 それでも1990年から3年連続の本塁打王、2年連続の打点王との2冠王に輝いているオレステス・デストラーデ(元西武)は、1980年の23巡目(全体588位!)指名だったし、1993年のセ・リーグ首位打者トーマス・オマリー(元阪神・ヤクルト)などは1979年の16巡目(全体408位)指名の選手だったわけで、そういう逸材を「まだ若い頃」に発掘できる可能性がある。

【次ページ】 MLBに「田澤ルール」は存在しない。

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