スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
乾所属エイバルが練習再開前に異議。
陽性者も確認、綱渡り続くリーガ。
posted2020/05/13 11:00
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph by
Miguel Ruiz/FC Barcelona/AFP/AFLO
ラ・リーガは5月10日、1部と2部の42クラブが新型コロナウイルスへの感染有無を検査した結果、計5選手が陽性反応を示したと発表した。
プライバシー保護のため公式には発表されていないが、これまで報道などで対象となる数選手の名前が明かされている。
現時点での感染有無を調べるPCR検査で陽性反応を示した選手で、名前が分かっているのは3人。アトレティコ・マドリーのレナン・ロディとベティスのジョエル・ロブレス、そしてエルチェのジョナタス・デ・ジェズスだ。
「数週間、全くの無症状だった」
ロディは3月初旬に新型コロナの感染者にみられる症状を発し、クラブに報告していた。幸い重症には至らず、自宅での静養のみで体調は回復していたが、今回の検査結果は発症から2カ月以上が経過した今もまだ体内にウイルスが残っていたことを示している。
ジョナタスは3月半ばにラ・リーガで2人目、2部では初のケースとして感染が判明した選手だ。彼もすでに回復し、数週間前から自宅でトレーニングに励んでいたが、まだウイルスは完全に死滅していなかったことになる。
ジョエルは感染後も無症状だったケースだ。今回の検査結果を受け、彼は自ら陽性反応が出たことを次のようにツイッターで告白している。
「PCR検査で陽性だったことを公表したい。妊娠中の妻、幼い娘、そして自分も体調は万全だ。全くの無症状で、この数週間にわたって体調不良を感じたことはなかった」
過去に感染したが既に完治し、血液中にできた抗体の有無を調べる抗体検査では、160人近くの選手に陽性反応が出ている。
そのうちレアル・ソシエダのアレハンドロ・レミロ、グラナダのアンヘル・エレーラ、バジャドリーのオスカル・プラノ、ベティスのフアンミ、アルフォンソ・ペドラサらは、まだ周囲に感染させる可能性が残されているため数日間の自宅待機を強いられることになった。