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天皇賞・春で史上5頭目の連覇?
無観客競馬は紛れが減る傾向か。
posted2020/05/02 19:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
先日JRAから、5月31日までの間、引きつづき無観客で競馬が実施されることが発表された。それにより、5月31日の「競馬の祭典」日本ダービーも無観客で行われることが確定した。
伝統の長距離王決定戦、第161回天皇賞・春(5月3日、京都芝外回り3200m、4歳以上GI)も、戦時中に能力検定競走として実施された1944年以来(当時は「帝室御賞典」)、76年ぶり2回目の無観客で行われる。
出走馬は14頭。4年連続でフルゲート割れとなったが、「令和最初の春天」にふさわしいスタミナ自慢が揃った。
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そのなかで、盾獲得の栄誉にもっとも近いところにいるのは、昨年の覇者フィエールマン(牡5歳、父ディープインパクト、美浦・手塚貴久厩舎)か。
一昨年の菊花賞を最少キャリア記録となるデビュー4戦目で優勝。4歳になった昨年、アメリカジョッキークラブカップ2着を経て臨んだ春天を制し、GI2勝目を挙げた。
激しい叩き合いで首差の2着に競り落としたグローリーヴェイズは、その後、12月の香港ヴァーズを快勝している。
勝てば史上5頭目の連覇
フィエールマンは、10月の凱旋門賞こそ12着と大敗したが、つづく有馬記念では、4コーナーから最強牝馬アーモンドアイの外に馬体を併せて進出。4着とはいえ、復活を感じさせる内容だった。
ここはそれ以来、約4カ月ぶりの実戦。もともと間隔を置いて使われてきただけに、馬も陣営もこうしたローテーションには慣れている。
昨年までは、レース後の反動が大きかったのだが、手塚調教師によると、5歳になって調教後の反動もなくなり、体幹がしっかりしてきたという。
勝てば、メジロマックイーン、テイエムオペラオー、フェノーメノ、キタサンブラックにつづく、史上5頭目の春天連覇となる。
引いたのは大外の14番枠。これまで2008年のアドマイヤジュピタしか勝っていない鬼門の枠で、2014年に1番人気に支持されたキズナも4着に敗れている。確かにデータのうえでも真ん中から内の枠が有利になっているのだが、道中でポジションを変えても掛からないレース巧者であるし、鞍上のクリストフ・ルメールの腕で、そのくらいのロスはカバーできるだろう。