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“自粛”とリンクする「浪人時代」。
藪恵壹は2007年をどう過ごしたか。
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byGetty Images
posted2020/05/04 11:00
2008年4月、ジャイアンツの背番号22を背負って登板した藪。この契約を勝ち取る過程には、孤独と苦悩の日々があった。
今は自分を見つめ直すチャンス。
結局この年はシーズンの終わりにトライアウトを受けて2球団からノンロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)としてオファーをもらい、ジャイアンツと契約を結びました。
正直、前年は自分の状況に納得しないままプレーしていることもあったのですが、この浪人期間を経て意識が変わりましたね。野球ができない状況にいたからこそ、やりたい気持ちを再認識しましたし、所属先があるということのありがたみを感じました。
今、これまでずっとプロとして走り続けてきた現役選手たちも、いったん小休憩を強いられる形になっています。野球以外のことに触れる時間も長くなり、しんどいと感じることもあると思いますが、自分の気持ちを見つめ直すチャンスにもなるはずです。
いずれにせよ、この期間を良くするのも悪くするのも自分次第だということ。いざ開幕したときに何も準備ができていないのではプロとして恥ですから、もちろん準備に当てても良いのですが、一旦気持ちを切ってしまうのも手だと思います。
とは言っても単に何も考えないというのではダメですよ。たとえばセカンドキャリアにつながるようなことをしてみるとか、今までのシーズンなら時間を割けなかったことについて考える時間にするとか。せっかくですから、有効に使ってほしいですね。
「おうち時間」のおすすめは?
ファンのみなさんも、なかなか試合を見られず寂しいと思います。そんなときにオススメしたいのが、台湾や韓国のプロ野球。私も野球に飢えているので、『イレブンスポーツ』(スポーツ系動画配信サービス)の動画配信などを利用して見ています。
台湾は4チームしかありませんが、楽天モンキーズの朱育賢が8試合で8ホームランを放つなど、見どころもたくさんあります。ちなみに、富邦ガーディアンズのヘンリー・ソーサは私とアメリカで同僚だった選手です。
スピーディーな進行を重要視している日本とは違い、試合が4時間に及ぶことも珍しくないのですが、かえってのんびりしていて良いですよ。「おうち時間」にぜひ一度、見てみてはいかがでしょうか。