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高橋由伸が松井秀喜を超えていた?
巨人戦が平均20%超えした最後の年。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byKyodo News
posted2020/05/03 20:00
松井秀喜、清原和博、高橋由伸という奇跡的なお立ち台。しかし1999年の由伸の主役感は断トツだった。
地上波時代最後のスーパースター。
その後、背番号24は長く巨人の主力を張り、監督まで務めたが、その長いキャリアにおいても「1999年の高橋由伸」の煌めきは圧倒的で、どこか儚く、狂おしいぐらいにキラキラしていた。以前、一緒に仕事をした1990年生まれの編集マンがこう言っていたのをよく覚えている。
「僕はもちろんONの現役は知らないですし、4番原もほとんど記憶にないです。小さい頃、父親が野球中継を見てるテレビの中では、松井と由伸がスーパースターでした。特になんか由伸は新しかったんですよね。とにかく格好よかった」
そんな風に子どもたちが“日常の風景”としてテレビの前で広く共有し、少年時代の懐かしい記憶の中でワリカンした野球選手はこの男が最後ではないだろうか。そう、高橋由伸はまさに巨人戦が日本中から見られていたあの頃、地上波中継時代最後のスーパースターなのである。
See you baseball freak……