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シェルバコワの衣裳が一瞬で変わる。
その秘密をデザイナーに直接聞いた。
posted2020/05/06 15:00
text by
いとうやまねYamane Ito
photograph by
Asami Enomoto
新型コロナウイルスの影響で、フィギュアスケート界も競技会やアイスショーが次々と中止に追い込まれた。
モントリオールで開催予定だった世界フィギュアスケート選手権には、羽生結弦、宇野昌磨、ネイサン・チェンといった高レベルの選手が揃い、女子はグランプリファイナルで表彰台を独占したロシア勢に日本の紀平梨花がどう食い込んでいくかも期待されていた。
それとともに、今大会初となる国際スケート連盟(ISU)が創設したISUスケーティングアワードという賞も注目された。
選手はもとより、コーチや振付師、プログラムそのものに目を向けた画期的な試みである。中でも、演技を印象づける「衣裳」に着目した「ベストコスチューム賞」に興味をそそられた。
ところが、ふたを開けるとノミネート者がデザイナーではなくその衣裳を着る選手であった。
ロシアの衣裳デザイナー、ミレーナ・ボブコワ。
この賞はベストドレッサー賞ではなく、ベストデザイン賞であるべきで、今後の見直しが必要な部分ではある。とはいえ、ぎこちないスタートであっても一歩踏み出したことには意義があると考える。
本記事では、ベストコスチューム賞にノミネートされた衣裳の「デザイナー」にスポットを当てた。
ロシアの衣裳デザイナー、ミレーナ・ボブコワ。
かつて浅田真央の衣裳をデザインしていたことでも知られている。
個人的に受賞最右翼と踏んでいたため、世界選手権が中止になる前の3月初旬に、インターネットを介して取材をしていた。