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三浦隆司のボンバーレフトが炸裂!
ローマン戦、戦慄のボディーブロー。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byNaoki Fukuda

posted2020/04/29 11:30

三浦隆司のボンバーレフトが炸裂!ローマン戦、戦慄のボディーブロー。<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

強烈な左を武器にWBCスーパーフェザー級王者を4度防衛した三浦。写真は3度目の防衛を果たしたエドガル・プエルタ戦。

「心にあったのは“どこかで決めてやろう”」

 9回までのジャッジの採点は不利。だが焦りなく、集中が途切れることなく「まぐれではない」ボディーブローに結びつけている。日本ではなく、何よりこれを本場アメリカで成したことに意義がある。

「相手のペースで進んでいましたけど、やばいなっていう気持ちはなかった。心にあったのは“どこかで決めてやろう”それだけでした」

 会場にいたファンも、MIURAがこのまま終わりだとは思っていなかったはずだ。彼も「激しい試合をするって思われていたので、その期待というのも何となく感じてはいました」と語っている。

2015年の年間最高試合賞に。

 それもそうだろう。

 三浦の激闘っぷりはアメリカで高く評価されていた。

 ベルトを失った2015年11月21日、ラスベガスでのバルガス戦。ミゲール・コットとサウル“カネロ”アルバレスのビッグマッチの前座にラインアップされ、メーンを食ってしまうほどのファイトを展開した。

 初回に強烈な右を食らってピンチに陥りながらも4回にはボンバーレフトをさく裂させてダウンを奪う。手に汗握るシーソーゲーム。

 9回に集中打を浴びてキャンバスに転がったが、立ち上がってきたその気骨には大きな声援が送られた。

 結局レフェリーストップとなってしまったものの、この試合の反響は大きく、全米ボクシング記者協会、米スポーツ専門誌スポーツイラストレイテッド(電子版)、スポーツ専門局ESPNが2015年の年間最高試合賞に選んでいる。

まだ何かある。また何かが起こる。

 会場に漂う期待感が、あのえげつないボディーブローを呼び込んだとも言えやしないか。

【次ページ】 いつも同じメンタルトレーニングの本を読む。

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