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西武・ニールの活躍は嬉しい裏切り。
「開幕投手はスペシャルな役割だが」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2020/04/27 11:00
日南キャンプで辻監督(右)と握手するニール。昨季は12勝1敗と活躍、今季は開幕投手を務めることが決まっていた。
「開幕投手」よりも大切なもの。
新型コロナウイルス感染症の影響で現在、プロ野球はいつ開幕を迎えられるのかわからない状況となっている。
キャンプ終了時、開幕投手に指名されたニールだが、当時は“開幕投手”という役割についてはさほど意識していないと語っていた。
「このオフは今まで続けてきたトレーニングとは違う、全く新しい方法に挑戦しました。テキサス州ダラスに住む、アメリカの野球界でもとても有名なトレーニングコーチのもとで、ほかの有名な野球選手と一緒にトレーニングをしてきました。昨年のシーズン中、自分に足りないと感じたことは、克服して開幕を迎えることができると思う」
試合の中で足りないと感じたパワーをつけるため、トレーニングで体重も約6kgアップした。
日本では「開幕投手」は特別なもので、毎年、開幕前には大きなニュースとなることを告げると、「私にとってはさほど特別ではない」と言ったあと、こう続けた。
「もちろん、メジャーリーグでも開幕投手はスペシャルな役割だと思う。私以外は、栄誉だと感じる投手も多いでしょう。でも私にとっては、開幕戦で投げることはそれほど重要ではありません。なぜなら今、こうして日本でプレーできることが私にとって一番大切なことだからです」
開幕の延期が決まった際にも「ニールを開幕投手に」という辻発彦監督の信頼に、全く変化はなかった。
「チームのみんなが私を先発陣の1人として認め、試合を任せてくれるようなピッチングをすることが最も重要な目標です」
昨シーズン、期待以上の活躍で応えてくれたニールにとって、2020年が真価を問われる1年になることは確かである。