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西武・ニールの活躍は嬉しい裏切り。
「開幕投手はスペシャルな役割だが」
posted2020/04/27 11:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
新しくチームに加わった外国籍選手を「当たり」「外れ」という表現で話題にする機会は多い。自信を持って獲得した編成担当にしてみれば、癇に障る表現だろうが、それだけ、海を越えた日本の野球界で活躍できる外国籍選手は稀で、メジャーでの実績や、前評判の通りにはいかないことの証だろう。
一方で、期待以上の働きを見せてくれる外国籍選手がいることも事実だ。
近年、埼玉西武ライオンズが獲得した選手の中で、最も「予想を裏切る活躍」を見せてくれたのが、昨シーズン、12勝1敗という成績でリーグ優勝に貢献したザック・ニールではないか。
うまくいって4、5人目の先発に。
ニールのメジャー通算成績は2勝。2016年にアスレチックス、2018年からはドジャースに場所を移し3シーズンで31試合に登板した。前評判では与四球の少なさ(85回3分の2で7つ)がクローズアップされ、制球力には定評があったが、うまくいって4、5人目の先発投手になってくれれば……という決して高くはない評価だった。
実際、2019年シーズンのニールの初登板は、開幕4試合目となる4月2日。初先発で来日初勝利を記録したものの、次の登板では敗戦投手に。その後、2戦の先発で結果が出せず、4月24日には登録抹消されている。
再び一軍に昇格したニールが11連勝し、ライオンズの歴代外国籍投手の連勝記録を更新するとは、昨年の今頃は誰も想像できなかっただろう。前年に2桁勝利を挙げた多和田真三郎、榎田大樹がいずれも故障や不振で戦列を離れる中、チームを救う投手陣の大黒柱となったのである。