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石川、柳田、西田をトスで操る。
関田誠大が味わった「楽しい」時間。 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byBlazers sports club

posted2020/04/22 11:40

石川、柳田、西田をトスで操る。関田誠大が味わった「楽しい」時間。<Number Web> photograph by Blazers sports club

移籍2シーズン目を終えた関田。自宅待機中の現在は室内でのトレーニングに励んでいる。

代表の試合は「ずっと楽しい」。

 一方で、強い相手に対しての課題も見つかったという。

「今まで勝ってきたような戦い方では勝てないということを痛感しました。僕が出た試合だとポーランド、ブラジル戦ですね。簡単には1点が取れないし、気づいたら点差を離されている。そんな印象を受けました。セッターの僕としては、スパイクを決めさせるチャンスをさらに増やすこと。どんなボールもアタッカーが打ちやすいトスにすることが大事だと一層、感じました」

 高校時代からコンビを組み「いちばん最後に頼れる選手」と評する柳田将洋だけではなく、西田、小野寺太志などすべてのアタッカーとの攻撃の精度を上げることが目下の課題だ。

「代表は能力の高いアタッカーばかりですから、誰に(トスを)上げようかと考えるのは楽しいです。だから去年の代表の試合は、ずっと楽しかったですね。その感覚を忘れずにいたい。ただし常にうまくいっているわけではないので、波を少なくしたいと思っています。実際、まだ祐希(石川)とは一緒に練習できていないので、一日も早くコンビを合わせたいです」

 イタリア・セリエAでプレーしている石川とは、ワールドカップ以降、一度も会えていない。代表合宿の再スタートがいつになるかは不明だが、それまでは個人でできる準備をしておくつもりだ。

代表とチームはつながっている。

 そんな関田が所属する堺ブレイザーズはV.LEAGUE2019-20シーズン、ファイナルステージに進んだものの初戦で敗れ、10チーム中5位に終わった。移籍して2シーズン目を終えた関田にとって、代表と所属チームとでは、関田自身の課題は変わってくるのだろうか。

「リーグ戦を戦って、そのあとに代表に選ばれるので、僕はチームと代表のプレーはつながっていると考えています。両方のチームで共通しているのはサイドアウトを確実に取ること。対戦相手に対して、自分がどう攻撃を組み立てるかということ。昨シーズンはブレイザーズでも『クイックとパイプ(中央からのバックアタック)を使っていこう』と監督から言われていたので、心がけることは代表と同じでした。個人的には、もっとクイックを使っていきたかったな、と。かつクイックの決定率を上げていきたかったなと今は思いますね」

【次ページ】 相手の分析を上回るクイックを。

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