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皐月賞で際立つ2頭の2歳GI馬。
ライブで見たかった豪華メンバー。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2020/04/18 19:00

皐月賞で際立つ2頭の2歳GI馬。ライブで見たかった豪華メンバー。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

ホープフルSから皐月賞へ直行してきたコントレイル。サリオスとは初対決だ。

ディープの最後から3年目の産駒。

 この勝利の価値をさらに高めているのが、負かした馬たちのその後の活躍だ。2着のヴェルトライゼンデはスプリングステークス2着、3着ワーケアは弥生賞ディープインパクト記念2着、4着のラインベックは若駒ステークス3着、5着のオーソリティは弥生賞ディープインパクト記念3着、そして、11着のガロアクリークはスプリングステークスを勝っている。

 大種牡馬の代表産駒は晩年に出ることがままあり、この馬は昨年世を去ったディープインパクトの最後から3年目の産駒である。ディープもサンデーサイレンスの最後から2年目の産駒だった。

 今年はほかにも超大物になる可能性を感じさせるディープ産駒がおり、その意味でも面白くなりそうだ。

サリオスに乗るために来日したレーン。

 もう1頭の2歳GI馬は、3戦3勝で朝日杯フューチュリティステークスを制したサリオス(牡、父ハーツクライ、美浦・堀宣行厩舎)である。

 2歳時の戦績はコントレイルに似たところがある。新馬戦を楽勝したあと、2戦目のサウジアラビアロイヤルカップを、4カ月の休み明けでありながら、1分32秒7という2歳コースレコードで優勝。

 3戦目の朝日杯では、前半800m通過45秒4という速い流れを好位から追いかけ、直線で楽に抜け出し、2馬身半差の勝利をおさめた。勝ちタイムの1分33秒0はレースレコードだった。

 3戦とも1600mなのでマイラーのように思われるかもしれないが、大きなストライドや、母サロミナがドイツのオークス馬という血統などから、距離延長はむしろ歓迎だろう。

 鞍上は、昨年、リスグラシューに有馬記念など国内外3つのGIを勝たせたオーストラリアの天才、ダミアン・レーン。皐月賞でサリオスに騎乗するために3月30日に入国し、2週間自主隔離して、4月16日から美浦トレセンで調教騎乗に乗っている。

 隔離中に緊急事態宣言が発出され、競馬開催が継続されるという保証はなかったのだが、皐月賞騎乗に漕ぎ着けたという時点で、ひとつの賭けに勝った。

 昨年、JRA・GIで7戦3勝という「GI請負人」がどんな手綱さばきを見せるか、楽しみだ。

 これら「2強」は、ともに年明け初戦がこの皐月賞となる。外厩で仕上げる技術が進化した今、こうしたケースはこれからも多くなるだろう。

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